さまざまな工業めっきの下地めっきとして、最も広範囲に利用されているめっきです。
ニッケルめっきは鉄に似た色調を持ち、耐食性に優れ、硬さ、柔軟性等物理的性質も良好であるため、鉄鋼や銅合金上にめっきして、装飾、防食の両面に利用されています。
また、色調も良くて変色しにくく、各種の素地に対して直接密着性の良いめっきが合出来るため、コネクタやスイッチ、端子などへの金めっきや下地めっきとして、幅広く利用されています。
ニッケルめっきの特徴Feature
1)各環境規制への対応
・RoHS2、REACH等の各種環境規制にも対応
・めっき被膜の定期分析による規制対象物質管理
・ICPデータの迅速な提供(目安:営業日中2日)
2)無光沢・半光沢・光沢の各種色調に対応
・色調により、様々な被膜特性(後述)
・お客様のご要望に応じ、最適な色調での被膜をご提案
・色調の組み合わせにより、耐食性の向上も可能です
3)ステンレス材にも量産対応
・下地用のニッケルストライク浴(ウッド浴)
・ステンレス材へのニッケルめっき、及びニッケルめっきを下地とした各種めっきへの量産対応
4)幅広い工法への対応
・ラック式、バレル式、フープ式と幅広い工法に対応
・フープ式では、プレス材、帯材、線材の各形状に対応
・網付けにより微細な形状物への対応も可能です
処理の種類・設備能力等Treatment Type and Equipment Capacity
1対応工法、サイズ、色調
光沢 | 半光沢 | 無光沢 | サイズ・重量 | |
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ラック(吊るし) | 〇 | 〇 | 〇 | 500×500 |
バレル | 〇 | 〇 | 〇 | 10kg |
フープ:プレス材、帯材 | 〇 | - | - | 幅:50mm、高さ:4mm |
フープ:線材 | 〇 | - | - | φ0.08~1.0 |
2それぞれの被膜の特徴
色調 | 特徴・用途等 |
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光沢 | 耐食性に優れ、鏡面光沢を有する被膜です。 硬度が高いことから、挿抜を繰り返すコネクタ用の下地めっきに多く利用されます。ただし、被膜が固いため、後工程にて曲げ加工がある場合は、加工時にクラックが生じる可能性があります。 |
半光沢 | 光沢剤を少量利用しており、延性もあるめっき被膜です。 また、適度な添加材の仕様によるめっきの付き周りも良く、下地めっきとして最適です。 |
無光沢 | めっき液に光沢剤を全く使用しない無光沢(純)ニッケルめっきは、高純度で延性に富む被膜が得られます。 また、光沢・半光沢の被膜と比べて、面粗度が粗いことから、アンカー効果も期待でき、半田付性・下地めっきとして使用した場合のボンディング性も良好です。 |
3浴種・色調別でのニッケルめっきの特性比較
色調・浴種 | 無光沢 | 半光沢 | 光沢 | |
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ワット浴 | スルファミン酸浴 | ワット浴 | ワット浴 | |
硬度(Hv) | 150~180 | 170~180 | 200~400 | 500~600 |
延性(%) | 20~30 | 5~6 | ~10 | ~5 |
応力(kg/mm2) | 12~20 | 5~6 | 100~110 | 100~110 |
引っ張り強度 | ~50 | ~50 | 100~110 | 100~110 |
半田付性(相対評価) | 〇 | 〇 | △ | × |
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